世界地図を広げて、コーヒーが採れる国に印をつけていくと、不思議なことが起きる。印が、地図の真ん中あたりに一本の帯のように並ぶのだ。今日はこの「帯」の正体を、親子で探ってみたい。 【まず、印をつけてみる】 ブラジル、コロンビア、エチオピア、ベトナム、インドネシア。有名な産地をいくつか地図で探して、印をつけてみてほしい。南アメリカ、アフリカ、アジアと、大陸はバラバラなのに、印の位置は上下方向にはあまり散らばらない。 【なぜ横一列に並ぶのか】 答えは気候にある。コーヒーの木は寒さに弱く、雪が降るような場所では育たない。赤道の近くは一年を通してあたたかいので、コーヒーの木が育ちやすい。だから産地が、赤道をはさんだ帯のような形に集まる。この帯は「コーヒーベルト」と呼ばれている。 【ここで、もうひとつの疑問】 ではなぜ、赤道の真上の国ばかりではないのか。暑ければ暑いほどいいわけではないからだ。コーヒーの木は、暑すぎても弱ってしまう。だから、赤道の近くでも標高の高い山の上のような、少し涼しい場所が、良い産地になることが多い。 つまり産地の場所は、「緯度」と「標高」という2つの条件が組み合わさって決まっている。地図では平らに見える土地にも、高さがあることを思い出すと、この帯の意味がもう一段深く分かる。 【日本ではどうか】 日本の多くの地域は、コーヒーベルトから外れている。ただし沖縄のようにあたたかい地域では、コーヒーの木を育てる試みが少しずつ行われている。地図の上で、沖縄がどのあたりにあるかも確認してみてほしい。本州と比べると、ずいぶん南にあることが分かるはずだ。 【親子でやってみたいこと】 家にあるコーヒーの袋を見ると、産地の国名が書いてあることがある。その国を地図で探して、印をつけていく。何袋分か集まると、自分の家だけの「コーヒーベルト地図」ができあがる。今飲んでいる一杯が、地球のどのあたりから来たのかが目で見えるようになる。 産地から一杯になるまでの道のりは、「はじめての産地探検」で詳しく扱っている。地図の次は、時間の旅もたどってみてほしい。